2023年5月に行われたFP3級試験。
私は今回初めて挑戦したのだが、なんと学科・実技ともに……
<<<満点合格>>>
であった。これには自分でも驚き。
さすがに合格はしている自信はあったのだが、まさか満点とは。
というわけで今回は、私が初学者にも関わらずおよそ1ヶ月で満点合格した勉強法をまとめていこうと思う。
参考になれば幸いだ。
(ちなみに私が受けたのは日本FP協会の方)
FP3級に独学で満点合格!
とはいえ証拠がないと信用してもらえないと思うので、ここに証拠を添付しておく。
ちなみに試験終了後に自己採点は全くしなかったので、このとき初めて満点だったことを知った。
まさか満点だとは思っていなかったため、これが自分の点数だとは思わず、
「えっ、点数書いてないんですけど。まさかお主、印刷ミスをされたのでは……?」としばらく困惑してしまった。
独学で合格するために必要な時間
さて、ここから本題に入っていこう。
おそらく多くの人が気になるであろう「勉強時間」。
合格するためにはどのくらい期間が必要なの?という質問はよく目にするが、これに関して言えば
「人による」だ。
こんなことを言ってしまうと元も子もないのは承知の上だが、これが真理だろう。
- あなたが学生なのか社会人なのか
- 基礎知識はどのくらいあるのか
- 勉強時間は1日どのくらい確保できるのか
- 自分なりの勉強スタイルを身につけられているのか
などなど、前提条件は人によって全然違うのだから「〇ヶ月あれば絶対合格できる」」とは言えないのである。
というのを踏まえた上で私なりの実感を述べさせていただくと…..
合格するだけでいいのなら“1ヶ月”あれば余裕 だ。
FP3級試験は6割取れれば合格できるので、過去問演習を繰り返せば充分合格圏内に入れると思う。
(基礎知識がある方ならば2~3週間ほどでも足りるかもしれない)
ただしきちんと理解したいという方や、2級へのステップアップを見据えている方には、1ヶ月半〜2ヶ月くらいかけてじっくり勉強することをおすすめしたい。
とくに2級はより深く細かい知識も問われるので、暗記だけに頼るのは非常にコスパが悪いのだ。
私が3級のうちから意識していたのは「その場で考えて答えを導き出せるようになること」。
この勉強方法で私は無事に満点合格を果たせたのだ。
参考書選びに時間をかけるべからず
まず多くの受験生が最初に悩むであろう、参考書選び。
おそらく一番メジャーというか、使っている人が多いのはこちらの参考書な気がする↓↓
たしかに一番とっつきやすく、万人受けしそうなのでこだわりがない方はこちらを買っておけば間違い無いだろう。
だがしかし、私が選んだ参考書はマイナビ出版のこちら↓↓
なんとなくこちらの方が情報量が多そうなのと、変なイラスト(私は好きだ)はあるが全体的にシンプルで使いやすいと感じたからだ。
「みんなが欲しかったシリーズ」がしっくり来ない方はこちらも手に取ってみてはいかがだろうか。
とは言え、ここでひとつ重要な事実をお伝えしよう。
ぶっちゃけ参考書は何を選んでも合否には関係がない
ということだ。(個人で出版している参考書は除くが)
細かな違いはもちろんあるが、とりあえずメジャーどころを選んでおけばまず間違いはない。
参考書選びに時間を費やすくらいならさっさと読み始めた方がいいので、直感で選んでしまおう。
参考書は順番通りによむな
無事に参考書を手に入れたところで、早速一ページ目から読み始めようとしているそこのあなた。
ちょいとお待ちを。
ご存知だと思うが、FP試験は以下6つの分野に分かれている↓
- A分野:ライフプランニングと資金計画
- B分野:リスク管理
- C分野:金融資産運用
- D分野:タックスプランニング
- E分野:不動産
- F分野:相続事業承継
もちろん上から順番に始めてもいいのだが、この中で興味がある分野やすでに勉強したことがある分野はなかろうか?
例えば宅建試験を受けたことがある人は「不動産」分野の基礎知識があるだろうし、自分で株式投資をやっている方は「金融資産運用」の分野に馴染みがあるかもしれない。
このように、まずは一番抵抗のない分野から始めるというのも一つの手だ。
特に「ライフプランニングと資金計画」は一番ボリュームがあり、序盤からつまづきそうな項目もあるので、豆腐メンタルの人は勉強する順番にも気をつけよう。
と、何も考えずに最初から順番に勉強した私が言ってみる。
(どの分野にも苦手意識がなかったので、特に問題はなかった)
勉強方法の流れ
基本的な流れは、
参考書に目を通す▶︎過去問題を解く▶︎解説を読む&該当箇所を参考書で再確認
という、いたってシンプルなものだ。
ちなみに私は参考書を一気に全部読むのではなく、分野ごとにわけてインプットとアウトプットを繰り返した。
具体的にはこんな感じ↓
②すかさず過去問を解いてアウトプットする。
③間違えた箇所や曖昧な部分は、解説や参考書で再度インプットをする。
④もう一度解いてみる。
⑤一通り終えたら、次の分野に移行する。
参考書を全て読んでから過去問に移っても良いが、個人的には分野ごとにわけて勉強するのがおすすめ。
F分野を終えた頃にはA分野の内容なんてだいたい忘れているのだが、忘れた頃にもう一度繰り返すほうが定着しやすい気がするのだ。
あとはこの方法だと一分野を終えるごとに達成感を得られるので、飽きっぽい人はぜひ試してみてほしい。
ちなみに学科→実技の順番で勉強し、実技に関しては過去問を2,3週ほど繰り返しただけ。
学科の勉強がきちんとできていれば、実技は過去問で解き方に慣れてしまえば問題ないはずだ。
アウトプットに関しては過去問演習だけに特化して、市販の問題集は購入していない。
過去問演習は何でしたのかと言うと……例の“あのサイト”である。
合格の鍵は「過去問道場」にあり
独学者で「過去問道場」を活用しない人はいるのだろうか。いや、いない。
と断言してしまいたくなるほど、独学者にとって欠かせないサイトだ。
FPだけでなく他の試験にも対応しているので、私も過去「情報セキュリティマネジメント試験」を受験したときにこのサイトにお世話になった。
こちらのサイトの何が素晴らしいのかというと、「細やかな解説」と「最新の法令改正への対応」だろう。
法律が絡む試験の過去問演習は、しょっちゅう改正される法令や制度に対応するのが難儀であるのだが、このサイトではその心配は無用。
過去出題された問題についても、きちんと最新の改正に合わせて修正がなされているのだ。
しかもFPの試験範囲に関連する「法令及び制度の改正情報」をまとめたページもあるので、とても便利である。
試験回ごと、分野ごと、模擬試験モードなど、様々な勉強法に対応できるので、ぜひ活用してほしい。
★セキュマネ試験をITド素人が1ヶ月で合格した記事はこちら↓
解説は徹底的に読むべし!
過去問演習において大切なことは、解説をしっかりと読むことだ。
初めは正解不正解などどうでもよくて、いかに一つ一つの問題と向き合うかが重要である。
間違えた問題だけでなく、最初は正解した問題についても解説を読むことをおすすめしておこう。
特に択一式の問題については、それぞれの選択肢のどこが間違っているのかも含めてしっかりと確認することが大切だ。
過去問道場はもちろん全ての選択肢に対して解説が付いているので、安心したまえ。
そしてここで重要なポイントは、意識すべきは「暗記」ではなく「理解」だということ。
答えを覚えることが重要なのではなく、その答えを導き出す“考え方”を頭に入れることのほうがよっぽど大事なのである。
本番で使えるのは暗記ではなく”考え方”
FPは範囲が広く、似たような数字もたくさん出てくるので、暗記だけではかなり心許ない。
(とはいえ暗記だけでも合格はできると思うが)
2級を先に見据えている方には、ぜひ“考え方”を本番試験に持っていけるような勉強をすることをおすすめしたい。
それに欠かせないのは、やはり根拠や背景を知ることだろう。
この制度はこうで、数字はこれ!と闇雲に暗記するのではなく、
「なぜこの数字なのだろう?」「どうしてこういった制度があるのだろう?」
という疑問とその根拠をセットで理解することが、驚くほど理解へとつながるのだ。
どの分野に関しても、その制度や数字には多かれ少なかれ“根拠”となる背景がある。
中にはゴリゴリ暗記でいくしかない部分もあるのだが、そういうところだけを頑張って覚えてしまえば、あとは本番で考えながら解くことが可能なのだ。
紐付けを意識して体系的に学ぼう
FP試験でとても重要なのは、点を線で繋げることである。
何を言っておるのだ?と思うかもしれないが、具体的にはこういうことだ。
例えば、ライフプランニング分野で登場する出産・育児に関するお金のあれこれ。
- 公的医療保険のテーマでは「出産一時金」と「出産手当金」
- 雇用保険のテーマでは「育児休業給付金」
- 社会保険のテーマでは「育児休業中の社会保険料免除」
とそれぞれにもらえるお金や免除される税金などがあるわけだが、制度が違うのでテキストの中でも登場する場所が微妙に異なる。
そのため、単体で覚えようとするとこんな感じになるのだが……↓
これらを紐づけるとこんな感じになるのだ↓
どうだろう。このほうが全体の流れをイメージしやすくなったのではないだろうか。
これらのつながりを意識せずに、バラバラに暗記するのはナンセンスだということはおわかりいただけるだろう。
金額や期間などの細かい数字は、こういったイメージをつけてからのほうがグッと頭に入っていきやすいのだ。
さらに大前提として、その制度の根拠を知るというのことにも非常に意味がある。
“背景”を知ることが理解への第一歩
たとえば上記の続きで、出産手当金について具体例を挙げていこう。
おそらく多くの方が「産前42日、産後56日は出産手当金がもらえる!」とテキスト通りに覚えようとするだろうが、ちょいと待ちたまえ。
そもそもこの給付の背景にはどんな法律があるのか?「42日、56日」という数字の根拠は何なのか?
まあ知らなくても別にいいと思うのだが、特にこういういくつかの制度が絡む内容に関しては、きちんと背景を知ることが大切だと私は思っている。
今回の例でいうと、こんな感じだ↓
▶︎この法律では、産前6週間&産後8週間は働かせてはいけないと定められている
▶︎でも働かないとお金がもらえない
▶︎そこでその分の賃金を補償をするために「出産手当金」という制度が誕生
▶︎母体の健康に関わることだから、健康保険の領域
(ちなみにこれは厳密な話ではなく、あくまで自分が理解するためのイメージ)
はい、ここであなたはもう気づいたはずだ。
そう、「産前42日、産後56日」という数字の根拠はこの労働基準法からきているのだ。
(産前6週間=42日、産後8週間=56日)
語呂合わせで「シーツ(42)にゴロン(56)」と暗記するのもいいが、それはあくまでも最終手段。
まずはこんなふうにベースを理解して、その上で細かい知識を入れていこう。
(特にA分野は似たような制度が沢山あるので、根本を理解していないと後でめっちゃ混乱する)
これはどういう根拠に基づいて、誰のために、どういう状況のときに、どこからもらえるのか?
などをインプットの段階から意識し、体系的に学ぶということがとても重要なのだ。
ちなみに全ての分野を一周した後は、それぞれの分野同士の絡みも意識してみよう。
特にタックスプランニング、つまり税金分野は全ての分野に関連してくるので、分野を横断しながら紐づけていくことが重要だ。
まずは分野ごとに勉強した上で、その後は行ったり来たりしながらインプットとアウトプットを繰り返すことを推奨したい。
Youtube動画を活用しよう
とは言え、自分でその根拠や背景をひとつひとつ調べていくのは、かなり心が折れる作業だ。
おそらく多くの人が「覚えたほうが早い!」と、早々に暗記ベースの勉強法へと切り替えてしまうだろう。
そこでおすすめしたいのが、Youtubeを活用した勉強である。
FPについて取り上げているチャンネルは沢山あるが、私が活用していたのは「ほんださん/東大式FPチャンネル」の動画。
この方の講義はまさに「暗記」ではなく「考え方」に重きを置いているので、きちんと理解した上で合格をしたいという方にうってつけなのだ。
「そもそもなぜこのような制度があるのか?」「この数字の根拠はどこからきているのか?」
というような「前提」を考えることは一見効率が悪いようにも思えるのだが、実はのちのち頭の中を整理するのにこれが役に立つ。
2級へのステップアップを考えている人は、3級からこの動画を観て理解を深めておくと、かなり次の勉強が楽になるぞ。
通勤・通学時間などの隙間時間にもぜひ活用してみてほしい。
ちなみにこちらはLECの「合格トリセツシリーズ」とコラボしているので、動画と合わせて勉強したい方はこのテキストがおすすめ↓
実生活にも役立つ知識
ここまで長々と私なりの勉強法をご紹介したが、資格だけ取れればいいという方は、過去問を繰り返し解くだけでも充分だろう。
私のやり方は上位級を目指している方や、実生活で役立つ知識を身につけたい方向けの勉強法だ。
ただこういった勉強法はFPに限らず様々な勉強に活かせると思うので、ぜひ参考にしながら自分なりの勉強スタイルを確立してもらえると嬉しい。
FP3級は比較的取りやすい資格ではあるが、学んだことを実生活に活かしてこそ意味がある資格だと思うので、ぜひ感情を持って使える知識として学んでおくれ。