前回、わたしはネモフィラ愛について熱く語った。
充分お分かりいただけただろう、
わたしが花を愛でる美しい心の持ち主だということは。
好感度をしっかりと上げたところで、わたしはまぐろについて語ろうと思う。
そう、前回のネモフィラの話は、今回の伏線にすぎなかったのだ。
魚を食べるなら「悠久」へ。
「国営ひたちなか海浜公園」に向かう途中、我々はとある店で昼食をとることにした。
腹が減ってはなんとやらだ。
美しいものを愛でるためには、まず腹を満たす必要がある。
いや、嘘はいけない。正直に言おう。
ネモフィラよりも海鮮丼こそが、この日の目的だったのだ。
事前調査の結果、ひたちなかにある「悠久」という店に向かった小人と二等兵。
人気店とはいえ、平日だから問題はないと高を括っていたわたしは、すぐに後悔することになった。
開店時間(11時)を過ぎた頃には、すでに行列ができていたのだ。
悠に1時間以上待つことは確定だったが、我々は諦めなかった。
結果、店に入るまでに2時間以上かかったが。
待つのが苦手な方は、開店時間前には並んでおくことをおすすめする。
駐車場はすぐに満車になってしまうため、近場のパーキングも調べておこう。
念のため、待ち時間に可愛い彼女を飽きさせないための小ネタを、いくつか準備しておけば完璧だ。
まぐろ丼しか勝たん。
ランチメニューは、「にぎりセット」と「どんぶりセット」から選べる。
(どちらも漬物と味噌汁付き)
寿司か丼か。
究極の選択を迫られた小人は、苦渋の決断で「まぐろ丼」を選んだ。
理由はただひとつ。
まぐろを食べたい気分だったからだ。
そしてわたしのこの決断は正しかった。
見よ、この神々しいまぐろ丼を。
<まぐろ8枚+中落ち(海苔もついてる)>
中落ちはねっとりと濃厚で、
分厚く切られたまぐろはとろけるように柔らかく、
全く臭みがなかった。
脂がのったまぐろは、わさびとの相性も抜群だ。
味、ボリュームともに文句なし。
これで値段は1,780円というのだから驚きだ。
無我夢中で貪り食べる小人。
半分ほど食べたところで、こちらが運ばれてきた。
カキフライは、こぶし大だった。
カキフライである。
どうせ2,3個だろうとあまり期待していなかった我々だったが、すぐにその誤算を思い知る。
なんと、大振りのカキフライが5つものっているではないか。
厚めの衣にかぶりつくと、中からジュワッとカキ汁が。
ううむ。美味。
だかここで、2つ目に手を伸ばそうとした小人は力尽きた。
(残りは二等兵が美味しくいただきました)
笑った顔がチャーミング。
この店の一押しポイントは、店主のおじさんである。
なんと、基本的にこの店は店主が一人で調理をしているのだ。
待ち時間が長いのには、こういった理由もある。
とはいえ、入店時から料理の提供まで、それほど時間はかからなかった。
(揚げ物は多少時間がかかる)
カウンター席で海鮮丼や寿司が出来上がって行く様子を、よだれを垂らしながら眺める小人。
ひとり黙々と作業をする店主は、まさに職人。素敵だ。
無口な男はよいものだと眺めていたが、
帰り際に見せてくれたはにかんだ笑顔は、とても可愛らしかった。
店員のお姉さんもテキパキとしていて愛想がよく、
人も味も、まさに文句なしの店である。
そして、まぐろ丼を堪能したわたしは、ふと思った。
もうこのまま帰ってしまおうかと。
(逡巡したあげく、ちゃんとネモフィラは見に行った)