「好きな花は?」と訊かれたら、「ピンクのガーベラ」と答えることにしている。
程よく可愛らしく、親しみやすい雰囲気を持つガーベラは、
好感度を上げるには最適だからだ。たぶん。
まぁ、人生で一度もそんな質問をされたことはないが。
そんな寂しいわたしにも、最近特別に好きな花ができた。
「ネモフィラ」は青い。
「ネモフィラ」を見たことがあるだろうか。
わたしの心をぐっと掴んだのは、薔薇の赤でもなく、チューリップの黄色でもなく、ネモフィラの青だ。
初めて一面に咲き誇るネモフィラを見たときは、さすがのわたしでも「ほほう」と静かに歓声を上げた。
そのくらい、美しかったのだ。
真っ青な空とも、深い海の青とも違う、淡く儚げな青。
ひとつひとつは小さく可憐な花なのだが、集まると圧巻の美しさで、容赦無く我らを魅了してくる。
「国営ひたちなか海浜公園」は広い。
そんなネモフィラは、茨城県にある「国営ひたちなか海浜公園」で堪能することができる。
『死ぬまでに行きたい!世界の絶景』とやらにも選ばれているそうだ。
今年は難しいかもしれないが、状況が落ち着いたら、ぜひ一度行ってみるといいだろう。
見頃は4月中旬から5月上旬あたりだ。
GW中は大変混雑するため、ご利用は計画的に。
公園自体けっこうな広さがあるので、踵の高い靴で行くのはご法度だ。
足が痛いと、せっかくの綺麗な景色も楽しめないだろう。
意中の相手を誘いたいそこの君は、「歩きやすい靴」で来るよう伝えておくとなおよし。
ちなみにわたしは「ネモフィラソフト」を食べようとして、靴の上に落とした。
しばらく呆然とした後、泣きながら靴を洗い、びしょ濡れの靴を履いて帰路についたのは良い思い出だ。
そんなわたしを見て二等兵は笑っていたが、これはあくまでも悪い例だ。
決して真似しないように。
君は優しく背中をさすり、新しいソフトクリームを買い与え、
靴が乾くまで隣で慰めてあげよう。
「フォトウエディング」はつらい?
ところで、みはらしの丘は、フォトウエディングの人気スポットでもあるらしい。
わたしもこの間、撮影現場に遭遇した。
咲き誇るネモフィラを背景に、カメラの前で微笑むカップル。
出来上がった写真はさぞかし美しく、一生の思い出として残るのだろう。
わたしは、それを見て思った。
なんという苦行なのだろうかと。
行き交う人たちに、ジロジロと見られながら行う撮影。
これじゃぁまるで、公開処刑だ。
通り過ぎるときに見た白いタキシードの彼は、心なしか虚な目をしていた。
素敵なフォトウエディングの背景には、実はこんな苦労があったのだ。
「コキア」は赤い。
ちなみに、「国営ひたちなか海浜公園」は秋でも楽しめる。
春夏はネモフィラ、秋はコキアのシーズンなのだ。
<公式HPより引用>
初めて対面したときは、「これはなんぞ!」と驚いた。
ふわふわした丸いフォルムは可愛らしいが、なんとも不思議。
「ホウキグサ」という和名を持つ彼らは、その名の通りほうきを作るために使われていたそうだ。
緑色から徐々に色づき、10月ごろには鮮やかな赤色に紅葉する。
こちらもぜひご覧あれ。
おすすめしておいてなんだが、人がたくさんいると美しさが半減する気がするのは、わたしだけだろうか。
人間が駆逐されれば、きっと世界はもっと美しくなるのだろうな。