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「別れは突然に」

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たしかに、予兆はあった。

それなのにわたしは現実から目を背け、

気づかないふりをしたのだ。

君がいないと、何かはできない。

別れを告げられた瞬間は「何故こんな突然…」と裏切られた気持ちになったが、

今考えてみれば、前日からどうも様子がおかしかった気がする。

「あのとき、きちんと向き合っていれば」

そう何度も後悔をしたが、今となっては後の祭りだ。

「さよなら」と言った君の気持ちはわからないけれど。

君がいないと、何もできないわけじゃない。

壊れた彼と冷めた小人。

それは、いつもの風呂上がりだった。

ドライヤーのスイッチを入れ、髪を乾かしはじめると

<ぶふぉぉぉぉぉぉぉ>という大きな音が、次第に<ふぉぉぉぉぉぉ>という小さな音に。

おかしいなと思っていると、最後に<すんっ>と言って、

彼は永遠に動かなくなった。

二等兵が分解してくれたが、原因はわからず。

後に残されたのは、バラバラになった彼と小人の冷え切った頭。

わたしはそのとき悟ったのだ。

唐突に別れを告げられた人間は、こんな気持ちなのかと。

爽やかな君では物足りない。

しかし、<自然乾燥>という選択肢はない。

次の日に風邪を引くという可能性はおろか、

小人のキューティクルにも大ダメージを与えるからだ。

もちろん、二等兵の頭皮にも。

途方に暮れた小人は閃いた。

「我々には風早君がいるではないか!」と。

いそいそと風早君を段ボールから出し、髪を乾かす小人。

・・・・・・・・・寒い。

予想はしていたが、風早君の風はちと爽やかすぎた。

まさか初めての仕事が髪の乾燥だとは、彼も思いもよらなかっただろう。

あ、ちなみに風早君とはサーキューレターの名前だ。

(結局、風呂場の浴室乾燥を使って乾かした)

風早誠くんの記事はこちら⬇︎

404 NOT FOUND | 進撃の小人

そして次の日、出会いの場へと走る。

ドライヤー売り場で散々迷ったのは、このふたつ。


公式HPより引用>

公式HPより引用>

王道の「Panasonic」か、サロンシェアNo. 1の「TESCOM」か。

ここで重大な事実をお伝えしておこう。

突然壊れたドライヤーは、Panasonicの製品だ。

もちろん、我々の使い方に問題があったのかもしれない。

だが、購入してからまだ2年ほどの短い付き合いだ。

手酷い裏切りにあった元恋人と、まだ未知数の彼。

小人は二等兵に決断を託した。

結果、二等兵は「TESCOM」を選んだ。

意外と根に持つタイプなのかもしれない。

新しい彼は優しかった。

まだ使い始めてばかりだが、今のところいい感じである。

新しい彼の特徴を、いくつかお伝えしよう。

  1. 速乾 : 大風量・大風圧・ハイパワーで、乾くのが早い。
  2. 最軽量 : 500㎖ペットボトル以下の重さ。ロングヘアーでも疲れにくい。
  3. プロテクトイオン : 独自のプロテクトイオンが、美髪へと導く。

1、2は確かに実感がある。

大風量で乾くのが早いが、温度が高すぎないのは素晴らしい。

「熱風」ではなく「温かい風」という感じなので、風力はあるが柔らかい印象だ。

夏場の汗だくストレスが軽減されそうでよき。

3の「プロテクトイオン」は髪に艶を与えたり、広がりを抑えたりする効果があるらしい。

正直わからん。

意外にも、二等兵が気に入っていたのはこの部分。

レバーを押すだけで簡単にコンセントから抜くことができるのだ。

なんとも地味であるが、こういった細やかな気遣いも評価すべき点である。

 

というわけで、個人的にはなかなか良いのではと思っている。

お値段も5,000円ほどなので、安すぎず高すぎずと言ったところ。

小人の傷ついた心とキューティクルは、

彼の温かな風で癒されつつあるのだ。

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進撃の小人

コメント

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